小米網の雷軍氏とデイヴ・マクルーア氏、エンジェル投資の極意を語る

基調講演で雷軍氏の写真を撮影する聴衆
土曜日(10月15日)の夜、北京で行われたmobiTalkイベントの会場、グレートウォールクラブ(訳注:中文名「長城会」。「長城会」についてはこの記事を参照。)には、これまでにないほど大勢のギークが集まった。そこでは、中国のエンジェル投資家で Xiaomi(小米)CEOのLei Jun(雷軍)氏がエンジェル投資について語り、その後「Geeks on a Plane」や「500 Startups」の創設者Dave McClure氏との対談も行なった。(訳注:「長城会」ウェブサイトに関連記事。)
Lei Jun 氏の基調講演
このイベントは雷軍氏の基調講演に始まり、彼は主に自身の投資哲学について語ったが、講演の最後の方で、Xiaomiや同社の携帯電話について少し紹介をした。Lei氏は、中国のテック企業への投資で素晴らしい成功をしているにもかかわらず、それらの企業に提供した知識は自らが経験した多くの失敗から得たものがほとんどで、しかも運が良かったと言いながら、その成功については謙遜して見せた。Lei 氏いわく、「成功の85%は運がよかった」のだそうだ。
とは言うものの、Lei氏は投資家となる人たちに、いくつかのヒントをもたらした。彼が何度も強調していたのは、市場の方向性を熟慮することで、 投資の是非を判断する前に、5年、10年先の社会を思い描き、その企業が思い描いた構想に合致するかを考えるべきだ、と助言した。また、企業が良いプロダクトを作ることは簡単だが、タイミングも非常に大事であるとも語り、「正しいことをするのは簡単だが、正しいことを適切なタイミングで行なうことは非常に難しい」と述べた。
Lei氏はまた、個人的には馴染みのある市場および人にしか投資しないとも語った。話はわかりやすい。自分が知らない人や事業にどうして投資ができるだろうか? だが、Lei氏はこれを次のレベルに発展させ、ある人に投資をすると決めると、その人への信頼が崩れない限り、何度でもその人と失敗を共にする覚悟があると述べた。「どうせお金は無くなったんだ。友達の縁まで無くす必要はないだろう?」とLei氏 は言葉巧みに問いかけた。それは賢明ではないようだが、Lei氏をあざ笑う前に、同氏は(おそらく)我々よりもはるかに多くのお金を持っていて、そのお金のほとんどを投資の成功から得たものだということは念頭に入れておくべきだろう。
誰に投資するかに関しては、Lei氏は情熱があって成功の自信がある企業を探すと語っている。だが、もちろん人材や内容も大事だ。「夢を持つだけでは足りない。夢を見るのが好きな人は大勢いる」と同氏は述べた。また、中国企業は欧米の投資家よりも中国の投資家からもう少し支援を得る必要があるかもしれないと指摘し、投資家とスタートアップ企業の関係は、時に親子のように感じることもあると語った。

Lei氏の講演は、頭に浮かんだことをほぼそのまま話しているようだった。メモも使っていなかったし、講演の概要以外にスピーチを覚えたような感じはなかった。このテーマに対する彼の情熱は明らかなもので、特に講演の終わり頃に市場の方向についてLei氏のポイントを示そうとXiaomiについて語り始めた時は 特にそうだった。
Lei氏は、市場の方向性として、Xiaomiのようなスマートフォンに成功の確信を持つようになったのは、最初の iPhoneを見た時だと語った。彼は初代iPhoneがとても気に入っていたが、iPhoneには中国でよく使われているテキストメッセージの転送機能がなかったの で、友人らは皆使うのをやめてしまったと述べた。
それでも、Lei氏はiPhoneがきっかけで、仕事に関することでさえも、最終的にはスマートフォンがPCに完全に取って代わると確信し、例えば「どうやったらスマートフォンがワープロソフトよりもずっと便利なオフィスツールとして使うことができるか」というような新しい電話の役割を考え始めた。そのようなアイデアが今、まるで、Android OSのMIUI(Android の ROM)のように、Xiaomi のソフトやチャットアプリの「米連(Miliao)」などにも導入されており、 Lei氏はオフィスツールとしても十分機能すると述べている。だが、これらの商品はまだ初期のイテレーション段階にあり、さらなる開発と修正で改良されていくようだ。
Lei氏は次の大きな市場の1つがモバイルeコマースであると信じ、Xiaomiの販売をウェブだけに絞った。これは価格を抑えるのに寄与していると彼は述べている。小米の携帯電話の先行予約が早くも30万台に上ったことを誇りながら、Lei氏はこのアプローチは明らかに成功だったと語ったのだが、その後イベント中に観客 から、オンラインのみの販売で、もし携帯電話に問題が出たら、修理やその他の問題をどのように対応するのかという質問には逃げ腰だった。その質問に対して、同社のウェブサイトや誓約、また、同社が期待に沿う、いや期待以上のことをする自信があることなどを語ったが、回答には具体的な内容は含まれなかった。
投資に関するディスカッション:Dave McClure氏 / Lei Jun氏

自社製の小米携帯で Dave McClure 氏を撮影する 雷軍氏
Lei Jun氏の基調講演の後、司会者が進めるディスカッションと質疑応答の形式 に変わり、Dave McClure氏が質問のほとんどに対応し、時には驚くほど率直な反応を見せた。Lei Jun氏はあまり話をしていなかったので、その合間を利用してディスカッションの最中に突然Xiaomiを取り出して、話をしているデーブ・マクルア氏の写真を撮っていた。皆が気づく賢い方法で、巧みに生のバイラル広告でXiaomiを宣伝したというわけだ。
中国について聞かれると、McClure氏はもちろん「Geeks on a Plane」は市場や起業家精神について勉強するために来たのだと答えたが、本当に大事なことは新しい人に会うことや、2つの国が出会う時に繰り広げられ る文化交流であるとも述べた。米国と中国の違いについて尋ねられると、「(中国の起業家は)おそらく私達よりも賢くて積極的だ」とMcClure氏は冗談を言った。— Lei Jun氏はそれに対し、にやりと笑った—そしてイノベーションのスピードはシリコンバレーよりも早いということにも。「(原文のまま)ここにはルールが少ない」と述べ、少なくとも起業家の観点から見れば、おそらくそれは悪いことではないと付け加えた。
Dave McClure 氏は、投資の観点から重点を置いているのは、巨大な市場を狙う企業よりも、小さくても成功をおさめやすい市場でうまくいく力を持つ企業を探すことだと言った。
より小さく限られたコミュニティに焦点を合わせることで、企業は自らのプロダクトを微調整でき、最終的にインターネットは巨大な市場であるため、ニッチを追求した後であっても多くのお金を得ることができる。
起業家になることが「あまりにも魅力的」になりすぎていて、雑誌の表紙を飾るだけでなく問題を解決しようとする人を、投資家は探す必要があると McClure氏は語った。また、本当の起業というものは、一般的には「魅力的ではなく、苦労を伴い、ものすごく退屈で、失敗ばかり」だとも説明し、もしお金や名声だけを求めているのなら、「やめて、何か他のことをしなさい。起業家にはならないほうがいい」と述べた。
新しいサービスがシリコンバレーで開発されると、たくさんのコピーキャットがアジアに出現する、中国のコピー問題について尋ねると、二人は「これは必ずしも悪い事ではない」と回答した。それは革新的なことではないが、成功を収められる可能性があって、巨大で空いている市場を見つけたのに、それを利用しないのは愚かなことだ、とMcClure氏は述べた。Lei Jun氏はまた、そのコピーキャットを新しい市場で最初に行う会社になれるなら、コピーキャットは必ずしも悪いアイデアではないと述べた。
企業に何を求めるかを尋ねられると、Lei Jun氏は再び彼のモバイルインターネット・ビジネスの信念について語った。McClure氏はJun氏より用心深く、好きなものは自分のためにとっておく主義だが、ソーシャルゲームや共同購入サイトなどには投資しないと言い、今は子供向けの教育ゲームを好ましく思っているとのことだ。投資家は最終的に今の流行を気にせず、何がお金を稼ぐ可能性を秘めているかを探したほうがいいとMcClure氏は語っている。「お金は魅力的だ。どんな時代であれ、お金はいつでも魅力的なんだ。」
さらに、ハスラー・ハッカー・ヒップスターのリーダーが揃っている会社を探しているという。つまり、営業専門家、開発専門家、それとデザイン専門家の集まっている会社だ。現代の市場ではこれらがとても重大だと信じているからだという。
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